指導を始める前の注意
<ポイント>
- 一人の先生が成績を伸ばすのは難しいが、成績を下げるのは非常に簡単である。
- 真摯に取り組まないと、先生が生徒の人生を潰す可能性があるということを肝に銘じること。
- 自分の都合だけでなく生徒の都合もしっかりと考えること。
指導を始める前の注意
これから個別指導講師や家庭教師を始める人に心してほしいことをここに書いておきます。若干説教くさいかもしれませんが、ご勘弁を。
まず、これから指導をするという方は何のために指導をされるのでしょうか。
大半の人の本音はお金のためかもしれません。それも大いに結構だと思います。労働をして報酬を得るのは労働者の権利であり、誰もそれを否定する権利はありません。
しかし、先生と言う立場になる以上、子供の人生に大きな影響を与えると言うことに気を付けて下さい。
まず知っておいてほしいことは「一人の講師が生徒の成績を伸ばすのは非常に難しい」ということです。24時間貼りついているわけでもなく、週にほんの数時間の指導をするだけで劇的に成績を上げることは、まあ難しいでしょう。
慣れたら宿題管理や生徒のやる気を向上させるなどで、かなりの成績の上昇は見込めますが、それでも先生単独で一年程度指導したところで、「ワンランク上の学校に合格する」程度がやっとです。
ただし、「一人の講師が生徒の成績を著しく下げることは非常に簡単」なのです。間違ったことを教えて混乱させ、不適切な教え方で授業時間を無駄にしてやると、生徒の能力はその授業が原因でマイナスになります。
また、勉強しないことを怒るなどしてやれば生徒のやる気も削がれてさらにマイナスが大きくなります。
例えば私は「社会の指導をしてくれ」と頼まれたことも何度かありますが、徹底的に断りました。
社会の知識がほとんどなく、生半可な知識で挑むと、逆に生徒にとってマイナスになる可能性もあるからです。
大手塾の上層部で働くスタッフの中にもその辺は軽く考えていて「指導をすることでマイナスになるはずがない」と思っている人もいます。
しかし、現にそれでマイナスになることはありますし、現にその例を何度か見てきました。
雑談などでテキトーな事を言うのは構いません。それで成績に影響を与えることはありませんから。
しかし、授業内容に限っては必ず真摯に臨んでほしいと思います。あなたが生徒の人生を潰す可能性もあるということを肝に銘じて下さい。
大学生の場合、試験前に講義を休むなどの行動については否定しません。
知っている先生に、非常に熱心な人が居て、生徒の指導をするために時間を使い過ぎて2回ほど留年をしている人が居ましたが、ここまで来ると逆にナンセンスだと思います。
ただ、当然ながら、「自分に都合があるから休む」だけでなく生徒の方の都合として、指導方針をどうするか、引き継ぎをどうするかなど、どうしたら成績がより伸びるかも考えるようにしてください。
- 最終更新:2012-01-09 01:49:25