相手が小学生であることを知る
<ポイント>
- 高学歴な講師は一般に比べて講師として有利だが、それだけで優秀な講師になれるわけではない。
- 高学歴講師は自分の基準で生徒を見る傾向があるので注意が必要。
- 最初はやや低めに生徒の実力を評価し、講義を重ねるごとに上方修正をしていくのが最大のコツ
- 一般的な小学生はイメージでとらえる傾向が強いので、公式暗記などはイメージをしっかりとつけてからにすること。
相手が小学生であることを知る
保護者が講師を選ぶ際に注目する点の一つに、「学歴」があります。
高学歴な講師の善し悪しについてはいろいろと言われていると思いますが、ほぼ間違いなく、平均すると高学歴者の方が講師としての実力は高いです。
高学歴であるということはそれだけ高校生以下の学問に馴染みがあると言うことで、すなわちそれは「これから教える内容について、より多く勉強している」ことを意味します。それはすなわち、講師としては職業訓練を受けるのと同義であり、訓練を多く受けた人の方が優れた人材であるのは当然です。
特にきちんとした教え方をするには、これから教える内容の全体像を見通す必要があります。その点は高学歴者の方が圧倒的に有利です。
しかし、だからといって「高学歴者であれば良い講師になれる」と短絡することはできません。
学歴が高くてもきちんと相手に理解させることができなければ、講師としての意味がありません。
高学歴であることは絶対的に有利ですが、それだけで勝負が決まるわけではありません。
さて、高学歴講師の最大の問題点として、「自分ならこれくらいはできたらからできるはず」という基準で生徒を見てしまうことにあります。
この場合先生と同じくらい応用力のある生徒はかなり伸びますが、元々応用力がなかったり、これから受験を始めようと考えている生徒は自信をなくしたり、実力を落としたりすることがあります。
先生の意識としては、高いレベルで生徒を見るよりはむしろやや低めに評価して、講義を重ねることに印象を上方修正していくようなイメージでやっていくといいと思います。
仮に購入した問題集が簡単だった場合でも、「宿題用にする」こともできますし「2分以内にこれだけやること」という風に時間制限をつけることで難易度を引き上げる方向でいくことも可能です。九九でさえ、81個を1分以内に解くように設定すると比較的難しくすることができますし、その速さでやっていくと、簡単な問題集なんてすぐに終わってしまいますので、ロスにはなりません。
また、生徒は熟達した講師と違い、基本的に勉強の仕方があまりわかっていません。
「この問題集からテキトーに選んで10問解いといて」と指定したとしても、生徒は「簡単な問題を10問解いて叱られないだろうか、かといって難しい問題が解けるだろうか」などと余計なことを考え、それだけでも負担になります。
また、一般的な小学生は公式を暗記するよりはイメージでとらえる傾向があります。
なので、「公式を暗記して丸暗記」というよりは図や表などを多用し、公式を覚える先にイメージで解法がとらえられるようにすることがいい場合が多いです。
さらに言うなら、公式とイメージの両方をできるようにしておくと公式を忘れても遠回りな方法で解くことができるので、成績のばらつきが小さくなり、バランスがよくなります。
大抵の場合、相手はあくまで普通の小学生であることが多いです。そのことを決して忘れないようにしましょう。
- 最終更新:2012-01-09 11:43:13